ドライブによる花畑巡りや峠からの風景展望
巴郎山 四姑娘山の手前に有る4500m前後の巴郎峠一帯はヤクが放牧されている広大な草原で、自動車道路が走っています。4月から9月に掛けて多種多様な花が咲きます。自動車を下りて少し歩けば広大な花畑の中です。峠からの四姑娘山の眺めは絶景で、横断山脈のチベット文化圏に入ろうとする感動が沸き起こります。峠の西側を少し下った所から、頭を覗かせた四姑娘山主峰6250mが見えます。さらに下った日隆の直ぐ手前に猫鼻梁の展望台が有り、四姑娘山の南面を一望できます。
行程と海抜高度(概略値) 成都500m-3.5H→巴郎山4500m-0.5H→日隆3200m
*所要時間は小型車や高速道路を利用した場合で、休息 時間を含みません。
         参考資料 「中国のらん 中国野生蘭彩色図譜」
      巴郎峠への道−百花繚乱の峠道− P84〜88 森和夫
     1997年9月30日 あるて出版
双橋溝  双橋溝は長坪溝の西隣に有る渓谷で自動車道路が走っています。渓谷の両側に急峻な岩峰が聳え立ち海子も有ります。4月から10月に掛けて多くの花が咲きます。広い花畑が幾つも有ります。秋には唐松林が黄葉します。特に降雪期の姿が美しく「東洋のアルプス」の名前が相応しい渓谷です。渓谷の中程の大溝出合いにチベット族の小さな茶店が有りバター茶や素朴な味わいのパンを食べられます
行程と海抜高度(概略値) 日隆3200m-1.5H→双橋溝の終点(紅杉林)3800m
夾金山森林保護区  夾金山の峠一帯は巴郎山に似た風景と植生を持ち、5月から9月に掛けて多種多様な花が咲きます。自動車を下りて少し歩けば広大な花畑の中です。山上や峠の南側を少し下った所に海子も有ります。ここは古来からチベット族と漢族が行き来したルートで、18世紀の金川の役における乾隆帝の軍隊や紅軍も通りました。
行程と海抜高度(概略値) 日隆3200m-2.5H→夾金山の峠4100m
周辺の楽しみ方
臥龍自然保護区のパンダ 保護研究センターでパンダを見学できます。特別料金を支払えばパンダを近接撮影できます。日本を始めとするWWF(世界自然保護基金)の援助が行われている所です。2002年に改装した博物館ではパンダを含む動植物の生態を展示してます。ホテルも有ります。隣接する土産物市場では木の葉蝶を含む色鮮やかな蝶の標本や薬草が並べられています。
行程と海抜高度(概略値) 成都500m-2H→臥龍2000m
*所要時間は小型車や高速道路を利用した場合で、休息 時間を含みません。
丹巴風情保護区の石積みの塔や民家 古いチベット文化の歴史を持つ丹巴では美しい石積みの大きな塔と民家が最も印象的です。大きな塔は狼煙台や富の象徴で、古代においては戦争道具でした。
 民家は白く塗られ窓や扉やテラスは彩色されています。民家の平屋根には魔除けの尖った石が並び、檜科の葉を燃やして祈る焚火台が有ります。領主の砦跡や寺も見られます。
 15世紀に建立されたラマ寺には初期ゲルク派(黄教)様式を持つ壁画が残っています。2000年以上の歴史を伝えるボン教の寺も有ります。聖山のモルドは雲母を多く含む巨大な岩山で、山腹や麓にボン教やラマ教や漢仏教の寺が有ります。
 モルドの語源は鷲の嘴のように尖った岩で、女王の岩とも呼ばれました。古代において女王がこの地域を支配していたからです。丹巴では民族工芸が盛んで民族衣装や装飾品等の手工芸品が市場に多く並べられています。
 丹巴が在る金川流域は古代から多くの金を産出し、西域の部族や吐蕃系部族や西夏の残党が流入して先住の羌族などと同化した地方です。四姑娘山も同じ地方文化圏の中に有ります。四姑娘山から丹巴へ行く途中に在る沃日に、丹巴で見られるのと同じ石積みの大きな塔を持つ領主の砦跡が有ります。四姑娘山はこの地方の東南部に在るもう一つの聖山でも有ります。
行程と海抜高度(概略値) 成都500m-4H→日隆3200m-1H→沃日-0.5H→小金2400m-1.5H→丹巴2000m
*所要時間は小型車や高速道路を利用した場合で、休息  時間を含みません。
参考資料 「東女国」 隋唐会要巻99、旧唐書巻197(欽定四庫全書)

なお丹巴から康巴高原を南下してミニヤコンガ山を見てから成都に戻るルートも可能です。

ウエブサイト "ヒマラヤ横断山脈の女王谷" に丹巴風情保護区の写真が有ります。ご参照ください。
http://www.eastalps.com/scholaweb/queenvalley-j.